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「新和シリーズ」と名づけた一連の作品の1点です。新和シリーズでは、風合いのよい手漉和紙に墨と顔彩と胡粉だけを画材として用い、毛筆で猫を描きました。墨は言うまでもなく硯で墨を磨りました。墨色の微妙な濃淡も作品の表現には欠かせないものになりました。全体として穏やかな空気を含んだ背景に、ひと猫ひと猫、顔つきや姿で、“風情”とでも言えばよいかもしれないものが絵から感じ取れるように描いています。この作品は何の憂いもなく（おそらくは）、緩みきって寝込んでいる猫の姿というものを描いています。こういう時の猫ほどさわって気持ちのいいものはありません。

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